日光を浴びなさすぎるのも体に悪い
2015-09-25 09:25:06
「紫外線は体に毒」というイメージが最近あまりにも広がりすぎているため、全く日光を浴びないことが最良だと思い込んでしまっている人も中にはいるのではないかと不安になります。
紫外線対策は悪いことではありません。日差しが強い日の外出時は、日焼け止めを塗って、帽子をかぶり、あまり直射日光を浴びないよう行動するのは熱中症対策としても正しいことです。しかし、紫外線を避けるために外出しないで家に引きこもっていると、これはこれで健康に害が出ます。
まず、最も怖いのが「セロトニン」が不足すること。セロトニンは「三大神経伝達物質」の一つで、最も重要な脳内ホルモンです。セロトニンが多ければ脳は活発になり、少なければ脳の働きは弱まります。そして三大神経伝達物質のうち、他の二つ「ノルアドレナリン」「ドーパミン」は、どちらもセロトニンによって制御されているのです。
セロトニンを増やす一番の方法は、「朝日を浴びること」です。実際、セロトニンが不足しすぎると「うつ病」になり、うつ病の治療方法として「太陽光と同じ光量を持つ特別なライトを浴びる」というものがあるくらいです。普通の人はそんなライトを使わなくても、朝日を浴びてセロトニンを増やせばいいのです。
もう一つが「骨粗しょう症」です。人は紫外線を浴びると体内の脂肪酸からビタミンDが生成されます。このビタミンDはカルシウムの吸収に必要な栄養素であり、不足すると骨が弱くなります。結果、骨が小さな空洞だらけになって骨密度が低下した状態を骨粗しょう症というのです。骨粗しょう症になると日常生活の負荷でも骨折してしまいます。
1000万人以上いるといわれる日本の骨粗しょう症患者は、8割が女性です。いきすぎた紫外線対策の結果ではないとは思いますが、日ごろから積極的に外出してビタミンDを生成することで、骨粗しょう症を防ぐことができるのは事実です。
万全の紫外線対策をした状態で外出すれば、健康維持に十分な日光を浴びることができます。紫外線を理由に外出しないことが、不健康の原因なのです。